
【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】
第32話 周波数特性の嘘
大きく鳴らせる環境のかたや、小音量でも大きなサイズのスピーカーを駆動させたいかたなどは「APB-02」がオススメです。
「APB-02」は大型スピーカーの持ち味をしっかり出せるよう信号のスタミナエネルギーを強く設計したモデルで、送り出しの度合いを決めるレベル調節が付いています。
大きなサイズのスピーカーとは、口径の大きなものだけでなくトールボーイと呼ばれるような中口径で縦に複数並ぶタイプのものなども含みます。
騙されないでほしいのですが、周波数特性のグラフが低音域から高音域まで綺麗な線「だから」良い音がするわけではありません。
それ以外の大事な要素がたくさんあって、周波数特性だけをいじって同じ線にしてみても同じ音にはならないのです。
多くのかたが良いと感じる共通の音の感じというものは確かにあって、それを目指して製品化されているメーカーさんもあればニッチな好みに手が届きそうなものを作られているメーカーさんもあります。
良い音の反対は何でしょう。
悪い音?なにそれ?ですね。
不快な音は存在しますが、わざわざ不快な音がする製品は作らないですよね。
好みに合わないという意味で不快と表現されるかたもいらっしゃいますが、些か短絡的な口語表現で、実際は自分には合わなくて残念で不機嫌みたいな意味合いじゃないかなと思うのです。
楽器演奏の世界では「悪い音やなぁ~!(笑)」は最高の褒め言葉だったりもします。
そういうベクトルで言うと反対は褒めようがない音になるわけですが、褒めるという行動の裏には「強い関心」があります。
褒めようがない状況は最後まで聴かないレベルだったりするので、その人にとっては関心が無い音なのかもしれません。
となると、「心地好いか不快か」「好みに合うか合わないか」「興味深いか無関心か」の3つのベクトルがあるように思います。
細かく言えばもっと他にもあるでしょうけれども、コンフォート・サウンド構築に必須な大きな柱はこの3本のようです。
つづく!