【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】


第29話 3つの相互作用


例えば日常生活の中でお家で音楽を聴いたり映画を観たりするとして、音を聴くということをするにあたって普段は意識することのないことがいくつかあります。
それは「音響の事情」「電気の都合」「環境の影響」です。
それらは深いところで結び付いていて、相互作用が働きます。
それによりイコライザーで音色を触ると響きの雰囲気まで一緒に変わったり、ボリュームで音量を触ると勢いや煌びやかさなども一緒に変わったりするのです。
そうなると、ある部分でちょうどよい加減になっていても、一見(一聴?)関係ないように思える部分を少しでも触るとたちまちバランスが崩れてアチラ立てばコチラ立たずになっちゃったりするんですよね。
エントリークラスの『APB-01』はデスクトップ~ニアフィールドくらいまでを想定した家庭用モデルですが、その部分に関して大きな影響が出にくい作り方をしています。
なので基本的にはつなぐだけ、特に何も考えなくても心地好い空間が広がる感じが味わえます。
もう少し大きなお部屋や、ブックシェルフ型よりも大きなサイズのスピーカーをしっかりめに鳴らす環境を目指す方は、アンプもそれなりのパワー能力になります。
そうなると、その相互作用もより顕著になって、配置も含め調整調節がシビアにもなってきます。
プリメインアンプなどのようにプリアンプとパワーアンプとが合体している機器では「プリアンプからの送り」と「パワーアンプの受け」とのマッチングが内部でしっかりなされているメリットがあります。
再生機、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカー、がセパレートになっている場合は「どの時代の、メーカー型番の、どんな能力の」がバラバラに接続されるので、機器同士で極端に受け渡しがおかしくならないよう受け幅に余裕を持たせた入出力回路になっていたりします。
そこで、一回り大きな展開サイズのクラス『APB-02』ではパワーアンプとの相性が善くなるように調整することで、用途目的に応じた動きが円滑になりHatmanDPSの空間再生能力を発揮させやすくするツマミが登場します。
つづく!


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