
【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】
第27話 真っ直ぐ飛ぶ音
市販のオーディオ機器のみならず、テレビや街中にある業務用のスピーカーから鳴る音のほとんどが、スピーカーの中心から直進方向には芯のある音がしっかり飛んでいき、その外側は芯は弱くとも響く音、さらに外側は芯のない響きだけの音、になります。
オーディオのステレオだと左右のスピーカーがありますから、それぞれの真ん前は芯のある音がしているけれども外れると芯は弱くなります。
それゆえに、ステレオとして綺麗なバランスで聴けるような対策を取る必要があって、例えば左右のスピーカーの配置をきっちり整えて、その二等辺三角形を形成させた軸上に左右の芯を集めることで、その重なった位置で左右同じエネルギー量が届いた場合に「のみ」ステレオサウンドが成立する、みたいなことをやります。
試行錯誤して、ちょっと印象を変えるためにシステムを取っ替え引っ替え、置き方を工夫したり、これがいいと聞き付けたら配線を変えてみたり、なんだかんだいろいろやってみるわけです。
僕は「その過程はいいから早く落ち着いて聴きたい」と思う派です。
システムを取っ替え引っ替えしてみて聴くのは「どうなったかしら」と変化を確かめるだけで、あくまで試聴です。
で、気に入らない、しっくりこない、とコネ始めるわけです。
趣味としても素敵だと思いますし、沼ズブズブの楽しさは違う分野で散々やってきましたのでよく理解しております。
ただね、それだけが正解それだけが正義ではないのです。
そうじゃない聴きかたを必要としたり、そういうスタイルを楽しみたい人は僕だけじゃないんじゃないかしらと思うんです。
HatmanDPSは「音を都合よく響かせる技術」です。
その特殊さ、特異さ、ゆえになかなか理解していただきにくいかもしれませんが、これから必ず多くのかたの暮らしのお役に立てられてゆきます。
公共の業務放送やエンターテインメント・アミューズメントだけでなく、それを家庭などで楽しめるよう応用したオーディオ機器を作っちゃおう、というわけですね。
つづく!