
【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】
第25話 ボリュームて何
多くのひとが「ボリュームを上げると音量が上がる」と思っています。
え、そんなの当たり前じゃないの?
実は違うんですよね。
…みたいなお話を以前やりましたが、今回はそのボリュームのサイエンスみたいなお話。
「ボリューム」というものは「量」を意味します。
ですから「何の量」という部分がひとつではない、ということなんです。
テレビやオーディオでは音を鳴らすわけですから、皆さん一様にボリュームを触ると音の量「だけ」が変化すると思いますよね。
機器の取扱説明書にも「音量を調節」みたいに記されていたりしますもんね。
これはあくまでもメーカーさんがユーザーさんに向けての分かりやすい説明として端的な言い方になっているだけなんですよ。
受動と能動を入れ換えて考えてみましょ。
我々ユーザーはボリュームのツマミなりボタンなりを触ると、どういった印象の部分が変化するかな?です。
皆さんはどんな感じを受け取っていますか?
一度実験してみてください。
ボリュームをいつもの位置より上げ目にしてみたときの印象、下げ目にしてみたときの印象。
あ、ご近所迷惑にならないようには気をつけてくださいね(笑)
ひとによって感じかたや程度は様々ですが、注意深く聴いてみるといろんな部分が変化していることに気付かされます。
ハリ、ツヤ、ヌケ、コシ、重み、硬さ、明るさ、派手さ、繊細さ、など。
それに付帯してギラギラしたりガチャガチャしたり、モコモコしたりパツパツしたり。
引っ込んだり、出てきたり。
あるいはお部屋の広さを感じるだとかスピーカー自体が動いて音が飛んでくるだとか。
ほんとにたくさんの要素が同時にバラバラに変化していることに驚かされます。
ひとの感性って複雑なんですね。
それらのいろいろがひとつのツマミでぐりぐり変化すると思うと、便利な面と不便な面とが出てきそうですよね。
つづく!