【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】


第24話 アナログが好き


僕の特殊音響作品はすべてアナログ電子回路によるものになります。
音響機器においてのデジタル化も始まって長いですが、僕はアナログが大好きです。
だからといって決してアンチデジタルというわけではなくて、デジタルにしか出来ない素晴らしい技術作用はこれからもどんどん発展していって欲しいなと感じています。
デジタルにもアナログにもそれぞれにメリットとデメリットは当然あるのですが、長所と短所は表裏一体なので特に問題にはなりません。
ただし、工業製品的に製造するにあたってデジタル機器に比べたときにアナログ機器には不利な面というのがあります。
それは各部品の誤差です。
物理部品を寄せ集めて製品になるわけですから、ひとつひとつの部品に出る誤差精度も数が増えるほどにバランスのズレが無限パターンに広がることになります。
そうなると例えばステレオ機器の場合には左右のスピーカーから別々の音が鳴って、混ざってひとつの音楽になったりするわけですが、誤差のズレによって左右の表現力や出力などの能力に差が出ると妙な雰囲気になってしまいます。
一般的なオーディオ製品でもそこはシビアに誤差の少ない高精度部品を使ったり、中にはその誤差分を吸収できるような調整ポイントがあったりするものなどありますが、そういうものほど分かりやすく高価になっていきます。
HatmanDPSのサウンドはもともとそういう事情によって発生する違和感も吸収していくような構造になっていて、聴いていても特に気にならない響きが普通に出るのがひとつのウリです。
しかしながら製作においては、実はその誤差はものすごくシビアに捉えていて、回路のなかの各部品において必ず揃っていなくてはならないもの(世間は知らん僕の解釈!笑)は徹底的に測定して追い込んだパーフェクトマッチドを使用しています。
逆に揃っていないほうが良いもの(世間は知らん僕の解釈!!笑)はどの程度の差があると素敵に響くのか、まで考えて、計算した上で、意図的に適当に選んで使用します。
現実の世界は木でも雲でも全く同じ形のものが並んでいることはないでしょ。
この考えかたはどのクラスのモデルだとか関係なく、全てのHatmanDPS機器に適用しています。
つづく!


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