
【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】
第19話 再生空間の演出
こんな感じで、少しずつ少しずつ、音場空間を演出するためのパラメーターたちを一般的な音響回路や手段とは違ったアプローチで制御していけるよう開発をしていくことになります。
全部話すと長すぎるので想い出話に花が咲くのは一旦この辺にして(既に長いねスイマセン笑)。。
「そんなところが調節できるの?」という聴覚体感としての印象にリンクした部分をツマミひとつで触れるように、を目指して以降、現在までの四半世紀の間に20近くのパラメーターを編み出し、再生空間の音の響きを面白くコントロールできるまでになりました。
超自然な響きはもちろん、部分的な誇張や、劣悪環境で普通に鳴らすなど、従来の音響概念や普及機器では難しい表現や演出が可能になります。
それを一般的な音響と区別して「特殊音響」と分類するようにしています。
これはピアノなどと同様に、響かせる空間を調律する使い方になりますので、誰でも簡単にというわけにはいきません。
「音空間調律バランス調整」というのを行って、聞き取り易さの向上や不快感の緩和など、その場の響きの様子を調節する活動をしています。
それを手軽にお家で聴くオーディオに応用したら、もっと楽しめるんじゃない?というところからこのお話のシリーズの一番冒頭に戻るわけです。
なかなかに一般的な音響手段や無限の組み合わせの機器と周辺サプライなどを駆使して自分なりの「ちょうどよい」を目指すのは難しかったりするじゃないですか。
機器を揃えて自分で調節できるポイントが増えたとしても、何が正解なのか迷子になって、なかなか簡単には落とし処が見えてこないんですよね。
時間ばっかりかかっちゃう。
聴きたいのは音質じゃない、音楽なんだよ!早く音楽を聴きたい!って僕はずっと思ってました。
なんでそうなっちゃうのかというと、理由があるんです。
それは「音色も雰囲気も響きかたも全部ゴッチャにして音だと思ってる」からです。
ゴッチャにしちゃう理由もあるんです。
それは「機械で音質調整をすると音色も雰囲気も響きかたも全部一緒に変化する」からなんです。
つづく!