【 HatmanDPSオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】


第2話 ふたつの聴き方


改めましてではありますが、「Hatman」は今までにない音の再生表現の手段を提案するブランドです。
特殊音響という分野になります。
良い音というのは普遍的な唯一のものではなく、無数に存在していて、その感じ方や捉え方も様々です。
良い音なんてゴマンとあります。
そのうちのどれかに対して神格化するのもナンセンス、好みや価値観に合わないだけのものに対して酷評するのもナンセンスなのです。
たまたま耳にしたときの環境や状況や情景にハマれば、どんな音でも素晴らしくいい音で、想い出とワンセットで記憶に刻まれるのです。
しかも時間と共に美化されるというおまけ付きで。
僕は音楽を音楽として楽しみたい人なので、音質や音色よりも音楽そのものや音源に含まれる事情や背景が気になりやすく、そこを含めて演奏やコンセプトに重きを置く聴き方をしたりします。
HatmanDPSの技術を用いて家庭用のオーディオ機器を作ろうと思い立ったときに絶対に実現させようと思ったことがあります。
それは「しっかり聴いて楽しみたい時」と「お気に入りの音楽が生活に染み込むようにして日常そのものを楽しみたい時」とをしっかり分ける、でした。
僕自身がそうなんですよ。
「音楽を聴いてニヤニヤしたい」「音楽を解釈して脳が沸騰するのを味わいたい」という聴き方をしたい時と、完全にオフでリラックスしてチルな空間に身を置く聴き方をしたい時とがあるのです。
これらって全然ベクトルの違うケースの話なので、オーディオ的に鳴らすには全然違う機械で全然違うシステムを組む人も少なくないんですよね。
ご存知な方は「そんなこと当たり前じゃないか」、ご存知ない方は「えー、一緒がいいです」よね。
なので、音空間調律師の僕がフルチューンしたプリセットを作って仕込み、使う人はスイッチひとつで切り替えするだけでOKに出来るようにしました。
つづく!


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