
【 HatmanDPSTMオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】
第44話 移動をする点P
ちょっと前置きをさせてください。
何度も言いますが、一般音響を否定するとか批判するとかの意図は一切ありません。
一般音響ありきで、その上で特殊音響を付加させると実用範囲が一気に拡がって面白さを増長させたり安心感を出したり出来るようになる技術ですよ、と区別していることをご理解くださいませ。
さて、一人称視点の聴覚版、一人称聴点のお話の続き。
通常オーディオなどでは可能な限り左右対称にスピーカーを置き、出来れば障害物を避け、そのスピーカーのある場所から正三角形や二等辺三角形にあたる位置で、一番ステレオグラムが綺麗に揃って聴こえるとされています。
物理挙動としては確かにそうで、それが一般常識レベルで推奨されている基本の聴き方です。
ただ、楽しむ側は本来自由なはずなので必ずしも基本に忠実である必要はありませんし、生活環境や周辺事情などもありますから、完全に守ることのほうが難しい場合も少なくありません。
ましてや、生活のなかに交えて楽しみたいと思うと、その「聴きたい位置」は常に固定された一箇所ではないはずなんですよね。
いつもの席、いつもの場所、だとしても、ずっとじっとして顔も横に振らずに鑑賞するのはなかなかにくたびれてしまいます。
出来ればリラックスをしてお菓子や飲み物を用意したりしたいじゃないですか。
あるいは宿題や内職をしたり、お料理をしたりしながらフンフンと聴くスタイルでも「オーディオ鑑賞が趣味」と言ってもいいと思うんですよね。
・一箇所に座っていてもじっとしていない。
・お部屋の中でもうろうろすることもある。
・楽しむ人はその場に一人とは限らない。
という条件が加わるとなかなかにシンプルなスピーカー再生でその条件を満たした響きの空間をつくるには容易ではないのです。
つまり、聴取点は常に移動すると考えたほうがよい。
ただし動くとしても特定のエリア内に限られる。
そんなわけで、大まかに「この範囲で響く」が自分で決められるツマミ『Size(サイズ)』というパラメーターを搭載したのです。
つづく