
【 HatmanDPSTMオーディオ民生機器モデル製作へ向けて】
第43話 主観的に受ける
音空間調律師として音の響きのコントロールをするときに意識していることがいくつかあります。
まずは届いた地点でどういう形で受け取れるのか、拾い上げられるのか、解釈してもらえるのか、何を想起させられるのか、などについて深く深く想像を巡らせます。
そしてそのための感触、質感、味わい、匂い、色艶などを音の響きとコネクション出来るようにバランスを調えます。
今ある響きの状態のなかで、違和感の部分を細かく細かく探り、それを吸収して削り失くすと自然な響きに、あるいは意図的に残したり強めたりするとそこに意識が行くようになる仕掛けとなります。
スピーカーにどういう形の信号に変換して送れば空気がそのように動いて受け取られるかを、音の電気信号がスピーカーに運ばれるまでの過程で指示をする作業をしています。
その指示するためのツールが特殊音響HatmanDPSTMのひみつ道具たちです。
一般的に没入感と呼ばれているものの多くが錯覚的に擬似体験する感覚によるものです。
それを促すためにスピーカーの数を増やしたり位置を細かく決めたりしながら、その集合ポイントでの聴こえ方を工夫して錯覚を促す感じです。
視覚でいうと古くは赤青サングラスかけたら立体ワオ!の延長線上にある感じで、今は立体グラスも透明だったりしますよね。
音もデジタル処理などでとても技術が向上しているのが現在の映画館などで活用されているシステムです。
そこにエンターテインメント的な面白さを持っていくようになったのは時代の進みかたとしては間違ってはいないと思うんです。
ですがそれとは全く別世界、別の概念で昔からやってみたかった音場の再現があるんです。
錯覚とは違う感覚での擬似体験表現で没入感を生み出せないだろうか。
それは着地点で展開される音空間が現実空間の地面と音源内の音場空間の地面とが同期して、自分から見える世界の音として聴こえるようにすることだと考えました。
一般的なオーディオ拡散とHatmanDPSTMサウンドの音空間展開はずいぶん違うのは、一人称視点の音空間版を「一人称聴点」として、そこに重点を置いた質感再現をするからなんです。
それにより、モノラルスピーカーからの音でさえ全然違う聴こえ方や感じ方になります。
つづく